菊姫

 

菊姫酒造は天正年間(1573~1592年)、現 石川県白山市に
屋号「小柳屋(おやなぎや)」として創業しました。

昭和34年(1959年)、純米酒の製造技術の継承を試みた研究をはじめ、
10年の歳月を経て本仕込み純米酒を完成させました。
また、山廃酒母を使用し、米の旨みがたっぷり乗った個性的な純米酒として
昭和58年に「山廃仕込純米酒」を日本で最初に発売しました。

山廃仕込みは酒母の育成に比較的手間がかかることや、
酒質が濃醇で飲み応えのある味が当時主流だった端麗タイプの清酒には不向きであったため、
ほとんど消滅に近い状態から、菊姫はこれを復活させました。
「米の旨みを生かした清酒本来の味」をひたすら追求し、時代に流されることなく、
極上のこだわりを持ち、限界のない酒造りへの挑戦を続けます。

菊姫と言えば、やはり「米」と「熟成」へのこだわりが特徴。
現在最高の酒造好適米である山田錦の中でも特に高品質米の産地(特A―A 指定地域)である
兵庫県美嚢郡吉川町産の米を安定的に入手しています。
日本で初めて全量山田錦を使用した普通酒を発売し、
昭和16年には宮内庁御用達品の栄誉も与えられました。
また、小さなタンクでひとつひとつ丁寧に醸したお酒は
香り高く安定した酒質を生み出し、熟成に向きます。
熟成由来の黄金色も、吟味した原料や造りに自信があるからこそ
炭ろ過による色抜きをせず、そのままの個性を大切に残しています。

こうして醸されるお酒の味わいは、日本酒らしい力強さと上品な気品を感じさせてくれます。
米の旨味が全面にひろがり、しっかりと酸味の効いた芳醇な味わいで、
コクのあるどっしりとした酒質が特徴です。

                                                         

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