神亀・ひこ孫

 

神亀酒造は江戸時代末期の嘉永元年(1848年)埼玉県蓮田市に創業。
昭和62年(1987年)には、仕込む酒のすべてを純米酒に転換し
戦後日本初の全量純米蔵になりました。

第二次世界大戦中、アルコール添加の酒が発案され、
米が潤沢に入手できる時代になってもアル添の製法が当たり前となってしまった業界では、
純米酒が本来持っていたはずの旨味が久しく失われてしまいました。

そんな状況の中、七代目蔵元 小川原氏は危機感を抱き、
「日本酒の戦後を終わらせる」と宣言したことから全量純米蔵となりました。
神亀酒造は、様々な蔵元や酒販店、飲食店の人たちが
突破口を見出し意識を変革する場所となり、
業界全体が元気になること、そして日本酒が国際的な食中酒になることを目指しました。
そんな神亀酒造の酒造りは、何も足さず、何も隠さず、
職人の技と農家と時間を味方として、じっくり丁寧に造り上げています。

「とにかく良い米を。」と求め続けて有機栽培の酒米を使い始めましたが、
仕込んでみると醗酵の経過も酒の生命力も全然違う。
「酒は、米から。」という事実を再認識したと言います。

「神亀」は、かつて蔵の裏手にあった「天神池」に棲むという
「神の使いの亀」に因んだ名前で、
「ひこ孫」とは曽孫の意、三年以上の熟成を経た酒に冠らせる銘柄です。
仕込み水には秩父系荒川の伏流水を使用し、
硬水ならではの骨格のしっかりとした辛口純米酒を醸しています。
そのフルボディの純米酒が熟成によって、さらには、燗酒にすることで、
実にしみじみとした旨み、優しい飲み心地という長所が現れるのが「神亀」の真骨頂です。

時間による熟成が加わることで、酒の味はさらに豊穣なものへと開花していきます。
これからも、米の良さが伝わるような、
じっくりと熟成させた豊かな味わいをお届けしたいと思います。(蔵元HPより)

                                                         

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