渡舟・太平海

 

府中誉の蔵がある茨城県石岡市は、古代に常陸国の国府が置かれ
「府中」と呼ばれていました。
筑波山系の伏流水に恵まれ、かつて「関東の灘」と称された、
酒造業が盛んな土地柄です。

府中誉では地元が中心の「府中誉」、
濾過前取りシリーズの「太平海」、
復活栽培米「渡船」を使用した吟醸酒 「渡舟」の3銘柄のお酒を造っています。

銘柄名の由来にもなっている「渡船」は「山田錦」の親品種にあたる米で、
明治末期より昭和初期まで「酒造り専用の米」として大変珍重されてきましたが、
収穫時期が遅く病害虫や自然災害に弱いことから絶滅品種となっていました。

そんななか、1990年頃から、7代目蔵元の山内孝明氏は、
「渡舟」を復活栽培して酒造りをすることを決意し、
各地を奔走しながら、やっとの想いで「渡船」の栽培に漕ぎつけました。

「渡舟」の特徴は、青リンゴのような甘く爽やかな吟醸香、
酒米「渡船」特有の濃醇な旨味、そしてキレよく上品なまとまりです。

全国各地で復活米の酒造りが盛んになる中、「渡船」の草分けとして
全国に知られるだけでなく、アメリカにも販路があり人気を呼んでいます。

                                                         

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